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スリランカ南西部に位置するラトナプーラ。ここは全スリランカでもっとも多品種、大量に宝石を産出する場所でもあります。
スリランカは数億年前の大陸移動でアフリカの東部から切り離されてインドア大陸とともに移動してきた国であります。そして、のちにインドと分離します。
インド北部の中国との国境にあるカシミールでもカシミールサファイアと呼ばれる逸品の産地があります。その奥に大陸移動の際にユーラシア大陸と
激突した時に出来た「ヒダ」がヒマラヤ山脈であり、その最高峰がエベレスト山です。
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スリランカで産する宝石は実に種類が多く、ダイアモンド、エメラルド、翡翠以外は何でもあれです。高価なものは色が
変わる宝石の王様といわれるアレキサンドライト、宝石の女王といわれるパパラチア、そして日本語ではとくに猫目石として好まれるキャツアイがあります。
キャツアイはきらりと光る一条線の黄金の輝きが高価であります。虎目といわれるタイガーアイはキャッツアイの何百分の1の価値しかありません。虎目は主に
今はやりの強運を願うブレスレットに加工されます。
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2016年8月、スリランカで世界最大のしかも高価格のスターサファイアが発見されました。重さは1404カラット、価格は120億~220
億円ともいわれています。しかも、その原石は川底から発見されました。通常スリランカの鉱脈は山間から裾野(田んぼ)そして川底から発見されることが多いです。
洪水のあと、時として宝さがしが始まります。その鉱脈は2次鉱床の砂礫層(1~1.5m)で、地下10~20mの深さにあります。2017年5月の大洪水の後、どんな宝石が
発見されるやら、現地の人々は興味深々であります。
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スリランカ南西部に位置するラトナプーラ、カハワッタ。その上流に地元の人たちが崇める俗称ライオン山があリます。
その頂きから流れ出る川沿いに、世界でも類のない多品種の宝石を産する場所があります。その鉱脈は10m~15mの地底にあり、その鉱脈の厚さは
1.5mほどであります。宝石を含有する硬い玄武岩が長年の風雨で砕かれ流れ出したのであります。
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宝石堀場は概して足場が悪く、ほとんどが人界作戦で人の手に頼る以外にありません。時として事故も起きます。まず足場を固め、
安全を確保することが一番重要な仕事になります。スリランカの民族は主にシンハリ人(仏教徒70%)、タミール人(ヒンズ―教・キリスト教20%)、
モスレム人(イスラム教徒10%)に分かれ、現場で働く人達はなぜかほとんどが仏教徒であります。
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スリランカは社会主義共和国であり、公立の学校と病院は無料であります。その昔イギリスの植民地として多くの資源が宗主国イギリスに
長年奪われて来ました。植民地の悲劇がここにもあります。そのためインドと同様貧乏国でもあります。しかし、宝石堀場を所有するオーナー達は皆?お金持ち?政府から
特別許可を得て土地を借り受け、財力を投入して宝石堀りを行います。
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従来までは2m四方の立坑堀が主流でありましたが、岩場の重機が入る場所ではパワーシャベルが導入され露天掘りも目立つようになりました。
パワーシャベルを手足のごとく巧みに操縦して大穴を掘っていくのでありますが、時として油断をすれば土砂が崩れ事故につながることもあります。
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近くを流れる川底を目安に掘り進みますが。通常は2m四方の立坑で十字に掘り進むだけでは効率が悪いということで、
最近はシャベルカーなどを使って掘り進む露天掘りも目立ちます。しかし、面積が広がれば水抜きも大変な作業になってきます。これが朝一番の作業でもあります。
| 水を抜いたら今度は強力な水圧の放水銃で砂利を砕き掘り出していきます。その際、大粒の原石(直径5㎝)が発見されることもあります。
これを見逃さない彼らの目は鋭く、まさに鷹の眼力であります。10m先の原石をただの石ころか宝石の原石か見抜く彼らの視力は平均3.5~4.0の驚き視力なのです。
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昨日汲みだした水も一夜明けたら、また満水状態であります。宝石掘りはまさに水との戦いでもあります。毎日の作業はこの満水した水抜きから始まります。
これは午前中一杯かかる大事な仕事でもあります。まさに気の遠くなる仕事です。
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ここで重要な役割が水揚げ機のエンジンです。エンジン操作の技術者は日本から持ち込んだ中古の廃車トラックエンジンを常にメンテナンスしながら
巧みに操作しているのです。この技術者こそ、ここでは彼がボスでもあります。
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次に放水銃で砂利を洗い流し、貯まった土砂を水とともに吸い上げ、パイプで選別機まで送り届ける作業であります。一杯のザルで地底から掘り起こした
土砂を巻き上げ機で地上まで運び、ザルで洗い清める作業よりもはるかに効率的であります。
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土砂を含んだ先に大勢の人達が待ち受けています。彼らは選別機に流し込む土砂をチェックします。、漏れの無いように注視しているのです。特に1cm四方の
小さな塊には神経を使います。その中には時としてトッピン(特上品)が含まれていることがあるからです。
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宝石堀場での利益配分は権利を獲得した土地オーナーが60%、機械、設備提供者が15%、そして掘り手が25%であります。そして逸品の高価な宝石が
産出されたらボーナスが配分されますが、これだけの大規模なシステムでさえ、毎日、宝石に値する価値あるものが見つかるとは限りません。
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分類された砂利はさらに大量の水とともに選別機にかけられます。選別機には厳重に鍵がかけられています。そして数日おきにそのカギは開けられます。
その鍵を開けるのはオーナー一族の大事な仕事でもあります。そして経験豊富な人たちが鋭い目で選別していきます。
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今までは立坑の深さは15~20mの深さで、堀人がはしごを使って、底面まで下り、十字に掘り進みました。しかし、最近は技術の向上によりゴンドラに乗り100m近くの深さまで
掘り進むことができるようになりました。威力の弱いダイナマイトを使って掘り進みます。そして砕いた砂利を一気に水圧と共に吸い上げるのです。
| 今日は新鉱脈の初揚げとしてオーナー夫人と長男のガヤーン君が立ち会いました。巨額の投資を回収するため、そのチエックも慎重です。高価なものは小指の爪の大きさでも
数百万円はします。高品質の宝石が見つかれば、かれらにボーナスが支給されます。この場はオーナーの一番信頼を得たレジンドたちが担当します。 |
スリランカで産する宝石は実に種類(70種類以上)が多く、高価なものは色が変わる(自然光と人工光の下で)宝石の王様といわれるアレキサンドライト、
宝石の女王といわれるパパラチア(蓮の花のような)、そして日本では猫目石といわれるキャツアイがあり、特にスリランカでは多色の虹の色の七色を持つコランダム系(サファイア、ルビー)が
主流を占めます。
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土砂が流し込まれた選別機は5段階の仕切りがあります。宝石には比重(硬さ=重さの違い)がありダイヤモンドを10とした場合コランダム系のサファイアやルビーは
9であり、水晶系は5.5であります。一概には言えませんが比重の重たいほど価値ある宝石とも言えます。宝石は希少性を問われる世界でもあります。
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最近はAI技術が発達し、各堀場にカメラが数カ所設置されています。オーナーはそのカメラを見ながら現場責任者とテレワークの技術を駆使して適切な指示を与えていました。オーナーのグルゲさんは25カ所の
堀場を所有していますが、彼の事務所からそれぞれの堀場が現場に立ち会うかのようにすべて手に取るようにわかるのです。 |
グルゲさんの1日の始まりは早朝6時からです。これは朝日の力強い光の下で原石をチックするためと近郊の鉱脈で採れた宝石を一番最初に買い上げるためです。もし買い上げがなくても売り子たちに労のねぎらいも込めて、ひとり一人に紅茶のサービスと100ルピーの
小遣いを渡していました。これが彼の事務所の千客万来の秘訣でもありました。
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宝石は地球誕生(46億年前)我々人間と同根のマグマでありました。長い年月を経て火山噴火とともに地球表面に押し出され、我々人間と再会したのであります。
しかし、人間も宝石もどちらも磨かなければその価値は見出されません。よき人に出会い(発見され)熟練した人たちに指導をうけ、磨きをかけなければその真価は発揮できません。
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土砂の流れの中で一番重たい鉱石が一番手前に沈みます。そして一番軽い鉱石が出口寄りに沈みます。荒選別したあとはオーナーの信頼を得たベテランが入念に
人間の目で再チェックされます。見逃せば何百万円の損になるか儲けになるかの瀬戸際でもあるからです。トッピンが発見された時は歓声が上がります。彼らの労苦が報われるからです。
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色石の鑑別書にNaturalとHeatingという表示があります。Naturalは自然のままを加工したものです。Heatingは熱加工して発色を良くしたもので現在70%以上が熱加工しているといわれています。
熱加工しても脱色することはありません。ヨーロッパの人たちはNaturalを一般的に好みますが、日本人は特に色のきれいなHeating加工したものを好みます。
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満杯になった地下水の水抜きが完了すると地底で作業するため一本の細い丸木を頼りにすべり降ります。また昇る時も一本の丸木を頼りに横木に足を支えながら登ります。
腕力に相当自信のある人でないと簡単に登れません。興味半分の観光客の皆さんは相当な覚悟が必要です。体験するには懸垂20回以上出来る体力を作りが大切です。
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立坑は水に強いゴムの丸木でしっかり枠組みされ、マキハタの葉っぱで水止めされていますが、滴り落ちる水滴でびしょ濡れになります。地底は十字に掘られた坑道を
ロウソクの灯を頼りに掘り進みます。灯が消える距離が掘り進む限界点は7~8mで、酸素が薄くなった危険信号でもあります。
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ザル一杯に詰め込んだ宝石の原石を含んだ砂利を、合図とともに地上に待機している人たちが巻き上げ機で力一杯巻き上げてくれます。地上との連絡はビニール製の伝導管であります。
「OK!ザルを引き揚げてくれ!」伝導管の合図で引き揚げます。時として外風を送り込む送風管にもなります。まさに便利なツールでもあります。
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10~15mの地底で働く地底の環境は最悪です。絶えず地下水が滴り落ち、坑道内の温度(30度以上)と湿度(90%以上)は高く、
まさに蒸し風呂状態にあります。暗闇の中でロウソクの明かりを頼りに作業する環境は、ここでは素っ裸に近いふんどしがまさに一番の制服?かも知れません。
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地底から外界を見上げると30m以上の高さを感じます。泥土にまみれたぬるぬるの一本の細い丸木を頼りに、組まれた横木を支えに
腕の力だけで登って行く感があります。足場は水と土砂で濡れ、その上横木の間隔は広く(80㎝前後)、登りきるには相当の体力と腕力が要ります。
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ザルに入れた鉱石を1日に何百杯も巻き上げる人たちの表情は極めて明るく、彼らは明日の金持ちになることを夢見ながら
重労働に耐えて仕事をしています。そのベースは腹が減ったら近くのバナナの木からバナナを食らい、ヤシの実から栄養豊富な水が補給し、飢えの心配がないからかも?
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いつも栄養豊富なヤシの実の果樹水を飲みながらの彼らの泥水にまみれた生活スタイル。一攫千金、常に夢見る彼らの姿がそこにあります。
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若い女の子には刺激すぎる彼らの仕事着?スタイル。無駄な贅肉がない理想的な肉体美でもあります。彼らの自然体のポーズが実にまぶしいです。
服を着ている私が恥ずかしくなってきます。
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このような堀場にはオーナーとの強いコネクションが無ければ足を踏み入れることは難しいです。カメラに映ることが皆無の彼らにとっては
写真は非常に貴重品でもあります。
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スリランカでは時として川底から大きな原石が発見されることがあります。悠久の時の流の中で、時として大洪水が起き、鉱床が洗われ、川底に沈んでいる原石がが発見されます。
その原石は非常に硬いのですが、長年の放浪の旅の結果、角が削り取られ、実に柔らかい感触になります。
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原石が沈んでいる川底の深さは2~3mであります。大洪水のあと、川底を削られた「たまり」といわれるところに大きな原石が見つかることもあります。リバーストーンは鋭い角が削り取られ、
発見した時は兄弟に再会したような頬ずりしたくなるような硬さの中に柔らか感触を感じます。
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好奇心一杯の若い女性が裾をめくって川に降り、水かきで掻いた川底の見えない深みにはまり溺れそうになった笑えない光景を目にすることもあります。正に宝石の魅力は取り付かれた彼女は
周囲が見えなかったのでしょう。しかし、衣服は2時間ぐらいで完全に乾きます。
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掘り揚げられた鉱石を通常1週間単位で溜まり水の中で洗いにかけられます。掘り揚げた泥土を洗い場の横に積み上げます。その間彼らは盗難防止のために彼らは交代で寝ずの番をします。
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彼らは1日100~150杯の泥土を洗い落とします。一杯のザルの重さは20㎏、ベテランはこの重さを軽々と持ち上げ体幹を中心に、腰を振りながらリズミカルに見事に洗い落とします。
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初心者にとってはまさに重労働です。力でザルを振り回したら、その重みで10分も体力が続きません。ザルを上手に水に浮かべながら体全体で揺さぶるのがコツでもあります。
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選別は、洗い流された小粒の原石を見分ける一番大切な作業であります。皆の鋭い眼光の中、しかも日中の一番光の強い朝10~12時の間に選別します。5本の指を巧みに使って、
集中力を全開させます。素人目にはどれが石ころでどれが宝石かさっぱりわかりません。鉱床のほとんどが水晶の砂利になっています。
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ザル一杯の小石の中から、5mm程の小粒の原石も見逃さない彼らの集中力はすばらしく、それに彼らの視力は3.0~4.0。日本人には皆無の視力の持ち主が多いスリランカ人。
貧者に与えられた神様のプレゼントだろうか?、彼らの中には豪邸に住んでいる人もいます。彼らのきれいな角膜が年間1000セット以上日本の目の不自由な方々に届けられています。
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ベテランが見落とした?小さな鉱石を小さい子たちが競って探している光景をよく見かけます。ミレーの落ち穂拾いと同じく、貧者に一分の糧を与えるのです。
小さい時からの経験は、彼らにとって後に豊富な経験の積み重ねとして不可欠な選別眼という大きな財産を与えることになります。同時に彼らにとっては大きなお小遣いになることもあります。
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働き手の肉体は実に美しい。まさに鋼の塊であります。隣のラガーマンのお兄ちゃん(90㎏)を、半分の体格でしかも50歳のオッチャンが軽々と肩車したのであります。
大地に根づく彼らの足裏はまるでやわらかいスリッパそのものであります。長年の力仕事の結果、鍛え上げられたその体幹の強靭さにはびっくりです。
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竪穴抗の添え木は一番大切な材料であり、原木はスリランカ特産のゴムの木であります。水に強く、弾力性のあるまさに最適な材料がゴムの木であります。
日本では、のこぎりは引いて切りますが、一般的には外国ののこぎりは押して切るので相方の引手の役割も重要です。押す力と引く力の差は約1.5倍です。もちろん引く力が大です。
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のどが乾いたら近くのヤシの木からヤシの実を切り落とせば、新鮮な水分を摂ることができます。栄養満点のヤシの実ジュースはその爽やかさと力がみなぎるのが実感できます。
お客様にとって最高のもてなしでもあります。特にゴールデン・キングココナッツは最高です。その中で特にスリランカのキングココナッツオイルは超貴重品です。
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ハードな仕事を終え、ひと休みしたところで集合写真、みんなでハイポーズ。日常的に彼らが写真を撮ることはまずありません。結婚式の際に撮る写真が唯一であります。
次回渡航の際にコピーを是非彼らに渡さなくちゃ!写真は彼らとの仲を深める最高の宝物でもあります。
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サファイヤの原石見つけた!是非記念に持って帰りたいという本人の希望でオーナーの許可を得て、代金30,000円を払って大事にバッグに。のちに磨いて差し上げたら
15カラットきれいなスターサファイアに化けました。その価格は何と50万円也。おばちゃんの今回の旅行代金の2倍になりました。
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ラトナプーラの周辺には観光用の堀場も多数あります。そこはデモストレーション用の小さな堀場が殆どであります。そこでは時々まがい物の原石を、
「研けば数十倍になる」と言われて高値で売りつけられることもあります。しかし、現地でも偽物を販売されるので要注意であります。
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一見だだの石にしか見えない宝石の原石類。一番大きな原石はキャッツアイであります。原石そのものは2、30万でありますが、磨けばなんと1000万円を超えることもあります。
しかし、逆に1万円にも満たない大損するシロモノもあります。まさに宝石ビジネスはギャンブルでもあるのです。
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原石をカットして磨き上げるのはベテランのしかもセンスを要する仕事でもあります。ただ磨けばよいだけの話ではありません。その中にきらりと光り、その波動を伝える事の出来る
センスが最重要になってきます。正に匠のアートの世界でもあります。我々人間も良き先生について磨かなければ輝きを発揮できないのと同じです。
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彼はバンコクのサムチャイ君。小さな石専門の研磨工場の磨き手であります。1日12~15時間、100個近くを磨き上げます。その忍耐と集中力は現代の日本人には出来ない技であり
精神力の強さでもあります。傍で見ていても彼の集中力には、ただただため息が出るのみであります。 |
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1個50万円以上の逸品の原石はスリランカでも数少ない匠の手に委ねられます。特にカボション系のキャッツアイやスターサファイアは指先の微妙な感触で表面を丸く磨き上げられます。
難しいのは如何にして中心からスターが輝いて出るかであります。鉱石も生き物、人間の手のぬくもりが微妙に伝わり原石に必要以上の圧力と熱が伝わらないことも大切であります。轆轤をまわす右手の弓の動きと磨き上げる
原石の左手の指先のリズム感はまさにダンシング・アートの世界でもあります。
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最近スリランカでも量産する場合は機械化されたマシーンが多くなりました。テーブルの上に最硬度のダイヤの粉末の砥石を水滴と一緒にまぶしながらミクロン単位の精度で研いで行きます
。ここに幾何学の計算も必要になってくるから面白いです。腕の良い職人の給料は大卒の3倍以上(約8万円)であります。ここでもカットマンのセンスが問われ、最小限の目減りで、如何にして中央からラスター(照り)が
出せるかが腕の見せ所でもあります。また加工しやすいように出来るだけボトム(底)を低く削るかも技術の一つであります
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最近、品番管理や盗難を防止のために鉱石にミクロン単位の裸眼では識別できない極小の印字ができるようになりました。また、ロー付け(ハンダ)で金具を接着できない細かな箇所も
レザー光線を使った高温で瞬時に溶かして、高倍率のスクリーンを見ながらピンポイントで両者を接合する技術が開発されました。同時に3D技術を応用して人間の手に負えない複雑なデザインの金型も作成・
併用されています。スクーリンに10倍以上に拡大され、まさにピンポイントで加工できるので、精度の高い作品が出来上がります。
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一見ただの石が匠の手によって、磨き上げられた宝石は人間の好奇心をそそります。地球創生46億年、地底の高温のマグマが一気に地球表面に噴出される過程で創生されます。
源を辿ればそのルーツは人間と同じ、我々のご先祖様もマグマでありました。スリランカの宝石王、グルゲ家の子供たちは幼い時からこれらの宝石をおはじき代わりに遊び、彼らの指先の感触は
彼らが意識しなくても石の硬度が判別できるようになっていきます。数億円の遊びの中から将来の更なる大きな糧を得る手段を学んで行くのであります。
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キャツアイで最も価値あるものは金色の一条線がでます。その中で最も高価なアレキサンドライトキャッツアイがあります。その石は不思議なことに天然の光と人工の光の中で
グリーン色から赤色に偏光します。スターは中央から6本の線が力強く走っていなければなりません。ただ透明感のある色の薄いものほど線が強く、色の濃いほど線が弱いのが
難点でもあります。宝石の女王といわれているパパラッチャはオレンジ、紅赤、ピンク色が複雑に交色したまさに神秘な「蓮の花」の色をしているのが特徴であります。
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宝石を鑑定する場合、通常は10倍のルーペを使用します。宝石の価値判断は①大きさ(carut)、②色目(color)、③傷(inclosion)、④ラスター(bright=照り)⑤形(スタイル)の
総合判断で決まります。自然石に100%の品質を求めるのはまず不可能であります。しかし、最近の技術で熱を加えることでよりきれいな色に変色させることに成功しています。
鑑別書にはheatまたは加熱と記されることもあります。しかし、同じものが2つとない色石は本人の好みが優先されます。
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最近川底からリバーストンといわれる高額な逸品のサファイアが発見されました。5人のダイバーが連係プレーで見つけたものでありますが、その価値は原石で1億円余り
、発見者にそれぞれ500万円分配されたとのことです。特に大洪水の後に時々このような宝物を神様が与えてくれます。そのあと利権が明確でない川底を潜る人たちが急増して、今では軍隊が交代で徹夜の監視の目を光らせているそうです。
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太陽の石と言われるコランダム系の硬度の高いサファイアの一種でありますが朱赤の、まさに「光り輝く」この宝石はトーチを当てればまさに目がくらむ力があります。
所有者は一生に一度出会いがあるかないかのこの貴重な石はとても手放せないと言っていました。まさに宝石の神秘の力であります。コランダム系は青色のサファイアをはじめ赤色のルビーの色、から7色の虹色、無色透明まで
まさに多色に富んでいます。
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パパラチアの原石をしげしげと見つめるセイロン宝石の王グルゲさん。その成功の秘訣は毎朝6時から事務所前に前日採取された
原石を売込みに来た人たちにミルクティを振る舞い、商談が成立しなくても全員に100ルピーの小遣いを手渡していました。通常4~5人がチームとして商談に訪れますが
その意味はいくらで取引されたかの確認でもあります。まさに歩合制の世界でもあります。
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アレキサンドライト、80カラット。1カラット10,000ドル。1個8000万円ですが、有名宝石店のショウルームを飾る時は加工され宝飾品として5億円以上に変身していきます。
その希少性が故に宝石の王様と言われています。名前の由来はこの偏光性のある珍しい原石が最初ロシアで発見され、のちに超高価格で買い取った
ロシアの皇帝アレキサンダー大王の名前をつけられたのがその由来であります。太陽の下では深緑に人工灯の下では深紫に変色します。
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これが今世界的に話題になっている1405カラットのスターサファイアであります。価格は何と200億円は下らないとか。まさに信じられない価格であります。
詳しくは「巨大セイロンスターサファイ」で検索してください。セイロン宝石公社のお墨付きのある逸品でもありますが、1万円札200mも積み上げて買わなくては?ならない
その驚きの価格はにわかに信じがたい宝石でありますが、その原石は川底から発見されたと言われています。ニワトリのたまごぐらいの大きさです。買い手は一体誰か?
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セイロンの宝石王グルゲさんが所有していた、世界最大のサファイアの原石。重さは41.5㎏(83,000カラット)。1985年に採掘現場から購入した価格は5000万円だったとか。
その当時スリランカは内戦状態でテロの資金源になってはまずいということで、その存在は公表されていませんでした。しかし、実際の価値はいかなるものかと5年前にカットして磨いたところ、
上質のサファイアがごろごろ、その価格は何と50倍になったそうです。宝の持ち腐れとして同業者の笑いの種になっていたオーナーの面目もたったそうです。
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グルゲさんの机の引き出しの中には100ルピー札がいつも満杯です。堀場で採取された原石を毎朝20~30チームのグループが我先に列をなします。
持参するのは原石(ギルダー・ミルキーストン)ですが、丁寧に1点1点チェックして買い上げます。しかし、彼らの労苦を知るグルゲさんは全員の宝石を買い上げる訳にはいきません。
その時はグルゲさんはチームで売り込みに来る彼ら一人一人に100ルピーをねぎらいの意味で渡します。そのやさしさは次なる千客万来につながります。利はまさに元にあります。
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グルゲさんの子供は一男七女の子沢山であります。彼は何よりも子供が一番大切だと言います。子供たちは彼にとっては神様からの最高の贈り物であります。
その子供たちは地域の一番裕福な家庭と結ばれていきます。宝石業、紅茶園経営者、ホテル業、全国的家電チェーン店経営者然りであります。そして子供たちは連携してさらにお互いの事業を拡大していくのであります。
同族のつながりが最高の結束につながり一族の繁栄をもたらしていくのです。グルゲさんの孫は只今19人、まさに子宝に恵まれています。
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スリランカで産する宝石は実に種類が多い。高価なものは色が変わる宝石の王様といわれるアレキサンドライト(光により偏光する)、そして宝石の女王といわれるパパラチア(多色のハスの花、そして日本語では
とくに猫目石といわれるキャツアイであります。この中でもアレキサンドライトキャッツアイは特に高価であります。そしてコランダムといわれる硬質の高い(9.0以上)鉱物がルビー、サファイア群であり、
その色はダイヤモンドのような無色透明から七色の虹色の幅があります。
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高価な原石の買い物はそのチェックに万全を要します。その鑑別眼により価値が100倍以上に膨らむか、下手をすればただの石ころとして何百万を捨てることになるからです。
チェックする時は原石の内部を透視する強力なトーチを使うか、太陽の光に助けてもらうかであります。磨いてびっくりが原石ビジネスの醍醐味でもあります。
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彼の名はムザミルさん。名前の通りイスラム教徒です。スリランカでは一般的に宝石堀場で働く人たちはほとんどが仏教徒であります。危険な重労働を担当しています。
一方全世界的にネットワークを構築しているのがイスラム教徒であります。彼らは販売を主に担当しているのであります。彼がコロンボ市長になるまでグルゲさんと長年のパートナーでもありました。
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鑑別能力があり、資金の豊富な総元締めたちがプライスリーダーになっていきます。特に色石は好みもあり価格が一定ではありません。色石の場合は「鑑別書」。価格が標準化
されているダイアモンドは「鑑定書」が発行されます。グルゲさんもプライスリーダーのひとりであり、スリランカ宝石の価格決定に大きな力を持っているお1人でもあります。
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一般的にスリランカ国内での取引は現金決済が主であります。海外取り引きの場合は入金確認後商品は引き渡されますが、身内の取引の際はほとんどがメモ書き一つであります。
時として忘れることもあるというおおらかなところもあります。支払を忘れていたと言って1年後に現金を持ってくる人もいますが、イスラムの世界では金利はかかりません。働かずして金は得られない
イスラム教の教えだそうです。そのくらい余裕がないと立派な?宝石商にはなれないそうです。しかし、一度信義を失ったら彼らの仲間から追放されます。敬虔なるイスラム教徒は1日5回、たとえ商談中
であっても10分ほどのお祈りは欠かしません。世界のいかなる場所からでもメッカを示すコンパスを利用してアッラーの神様にお祈りして、一族の繁栄と健康、自分自身の向上心を磨き、世界平和を祈ります。
私の知る限り、イスラム教徒ほど一度彼らの懐に飛び込めば信義の厚さ、礼儀正しさ、人間関係を重んじる人は知りません。
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スリランカは経済的には貧しい国であります。そして貧富の差の大きい国でもあります。しかし、宝石やゴム、そして多品種のスパイスを産出する自然の恵み一杯の豊かな国でもありますが、
ポルトガル、オランダ、イギリスの列強国に500年間、植民地支配され、長年貴重産出品を強奪されてきました。一般国民の平均給料は日本の10~15分の1であります。日当は600~750円前後であります。この札束を見れば
彼らもびっくり!ですが、刷られたお札の価値の低さを感じる一瞬でもあります。世界通貨であるドル札のコストは25セントであります。1ドル札を刷れば4倍になります。同じコストで100ドル札は400倍になります。
アメリカの財政危機の際、このドル札を刷りまくり、世界の石油決済はドル札で決済することでアメリカは国難を乗り越えました。しかし、そのドル札も1ドル360円から80円になり、現在は110円なっています。
希少価値の高い有限の宝石は高騰が続きます。
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小指の爪の大きさの幻のピジョンブラッドのルビー代金が300万ルピー。そしてこのルビーが製品加工され、日本の一流宝飾店に並ぶ頃にはその価格は4~5倍以上になっています。世界の有名ブランド品になると
その倍以上になるでしょう。それが宝石ビジネスです。信頼できる供給源と良きパートナーシップを持つことも宝石ビジネスの成功の秘訣でもあります。賢い人は信頼できる現地の業者からカット仕上げされたジェム(原石)を
自分で納得して購入し、自分好みのデザインで日本の優秀な職人の手で加工する世界でただ一つのオリジナルを作る人も増えてきました。インターネットが発達し、交通が便利になり人脈さえあれば誰でも世界へ飛び立つことが可能になり
貴重品を購入することが出来る時代になりました。「世界はひとつ、人類皆兄弟!」世界は国境の垣根を越えたグローバル化の時代になってきました。しかし、そんな中でも長年の個人の信頼関係が人脈が一番大切であります。
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スリランカ西南海沿いにベルワラという町があります。14~15世紀はじめ、ヨーロッパでキリスト教徒とイスラム教徒の戦いの激しい頃、中東、北アフリカから難を逃れ、渡来してきたイスラム教徒が
作り上げた町でもあります。この町は当初は漁業の町でありましたが、のちに宝石研磨が盛んになり、宝石取引の町として栄えていきました。まさにイスラム教徒オンリーの町でもあります。町のいたる所にイスラム寺院があり、
夕暮れには心地よいコーランの響きが異郷であることを感じさせます。毎週金、土曜日はストリートマーケット全開で町中小さな商人の姿でいっぱいになります。高額取引はその奥の豪邸で取引されます。
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長い歴史の中で常にキリスト教徒(ユダヤ教徒)との戦いの中に迫害され続けたイスラム教徒の彼らの懐疑心はなかなか消えません。そもそも世界の常識は神様が生贄として、アブラハムに命じた大切な我が子はユダヤの祖イサクとなっていますが、
彼らはそれはイスラムの祖イシュマイルと言って譲りません。アブラハムの長男イシュマエルは側室ハガル(エジプト人)の子であり、イサクは本妻サラ(ユダヤ人)の子でアブラハムの次男になります。イスラム教徒の商取取引は時として言葉使いも荒く、
何よりも宝石を見る眼光の鋭さにはたじろいてしまうこともあります。彼らとの価格決定の駆け引きは数日に及ぶこともあります。
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この地域に潜入?する日本人は稀有でありますが、物腰やわらかい、やさしい日本人はかれらの恰好の「かも」になることもあります。買い付けは自分の宝石に対する選択眼を磨き、国際相場を知り、断固とした決断力を持って商談に
望まないと、彼らのイスラム教徒特有の高圧的な商談に圧倒されて腰が引けてしまい、高く買わされることもあります。自分が納得しないものは「妥協しない」買わないこともこれも立派な自衛?手段かも知れません。しかし、中には日本人以上に信義にあつく、
「友!遠方よりわざわざ訪ねてくる!」義理人情の深い人物と出会うこともあります。ここでも良き人との出会いこそが成功の秘訣でもあります。
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私が最初に訪れたスリランカはイギリスから名実ともに完全独立、その名もセイロン(獅子の王)からスリランカ(光り輝く島)国名が変更された時でした。その頃は国民の半数は裸足でありました。しかし、完全独立後政府は教育に力を入れ、
9年間は義務教育として教育費完全無償化を計りました。内戦26年年間の最中でも豊富な天然資源(ゴム、紅茶、宝石、農産物)+(観光、中東への出稼ぎ)を背景に経済は順調に発展し、内戦終結のこの10年間は中国の一帯一路戦略の支援?もあり、港湾、高速道路、飛行場の
開発が進み、見違える発展を遂げています。しかし、発展の陰には中国の一帯一路政策による過大なる借金政策があり、その付けが国民の物価高に大きな影響が出ています。
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コロンボの中心地ゴールドフェイスに2017年に完成したシャングリラホテル(華僑グループ)は2棟のマンション、高層の巨大な商業設備、そして広大な多目的ホールとスーパーマーケットを兼ね添えた、日本でも見られない超デラックスの商業設備であります。
そのホテルの中には唯一デラックスな宝石店があります。その名は「Shehans」。シャングリラホテルのパートナー現地CEOを務めるファミリーの宝石店でもあります。その宝石店の運営会社がタウンホール(市庁舎)の隣にある「Shehans」宝石輸出会社でスリランカNo1の取り扱い量を誇っています。
彼らはイスラム教徒ですが信義に厚いすばらしいスタッフが揃っています。 |
1970年から80年代のスリランカ宝石の上客は日本人でした。しかし、いまやその上客はここでも中国人に代わってしまいました。中国人の値引き交渉力は徹底しています。彼女たちは鑑識力が薄いので購入する際は必ず鑑別書要求します。製品はほとんどが香港かタイの
ベテラン技術者により加工されています。逸品の原石、匠の技による加工技術、そして世界に通じるセンス。世界に精通するその出来栄えはいまやヨーロッパのブランド品と遜色ありません。もし皆さんがセイロン宝石のジェム(原石)、ジュエリー(製品)に興味をお持ちでしたら「Shehans」をご紹介できます。良き宝石との出会いは
良き人との出会いが大切です。
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大航海時代、ヨーロッパの列強は競って植民地争奪戦を演じてきました。16世紀にはポルトガル、18世紀にはオランダ、そして19~20世紀にはイギリスがセイロンを支配しました。
彼らの目的はもちろん富の強奪であります。セイロンには貴重な鉱物資源から食産物、料理に欠かせないスパイス(香辛料)が豊富に産出されました。イギリスから完全に独立して、セイロンからスリランカに改名したのは
わずか50年前でありました。
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1981年、その完全独立の式典の際に訪問した宗主国の女王エリザベスは幸福を呼び込む石と言われるブルーサファイアに注目しました。常に超一流品を身に付けていた女王陛下、
彼女の選択眼も超一流であります。3000年前にイスラエルのユダヤの王様ソロモンがエジプトからシバの女王を迎える時にプレゼントしたのもセイロン産の真っ赤なルビー(情熱・信頼・仁愛)でありました。
悠久の時を経ても宝石は女性の垂涎の的でもあります。
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ジャヤワルデネ大統領邸の貴賓室に招かれた当時スリランカの最も著名な宝石商、マリム・ハジャ氏、グルゲ氏、そしてニマール氏が招かれ、3人のコレクションの中から選ばれたのが
17カラットの最高品質のブルーサファイアでありました。その持ち主の二マール氏のブルーサファイアに白矢が当りました。「これ素敵ね!」の一言で「光栄なる献上品」になるのが支配者への忠誠心と誉の証でも
あります。
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ダイアナサファイアの献上者として名を売った二マール氏は自社の看板も常にエリザベス女王の威光やダイアナ妃の人気を背景に商いを続けていましたが、ダイアナ妃の死後、
その人気も持続されることなく、彼の執務室には当時の写真と英国王室からの感謝状があるだけでした。献上品は後日グルゲ氏が立て替えることになり、彼をサポートしたのでありますが、
2017年2月、病のために病床へ。子宝に恵まれない二マールさんは最愛の奥様に先立たれ、失意のうちに2017年3月会社を閉鎖されました。
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久しぶりに再会した二マール氏は商いもうまく行かず、かっての燐とした栄光の影はもはや見られませんでした。もう一人の著名なベルワラの宝石商マリム・ハジャ氏は15年前に亡くなりました。
地域の貧しい人たちに惜しげもなく援助したマリム氏を慕い、地元人の熱意で邸宅に通じる道はマリム・ハジャ通りと命名されました。彼の事業は立派に子息たちに受け継がれ、今でも地域に貢献しながら繁盛していました。
宝石ビジネスはまさに稼業であります。創業者の精神を受け継ぎ、そして長年積み上げた人脈をいかに持続、拡大していくかが未来へのさらなる発展へ!
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代金を立て替えて女王に献上したグルゲ氏は一男六女の子宝に恵まれ、何よりも子供が一番の宝物と公言するグルゲさんの子供たちも成長して、それぞれが地域の富豪と結婚し、次女は紅茶園を8か所と豪華ホテルを経営する
ウパセナ家に嫁ぎ、それぞれの兄弟、姉妹の互助を得てますます発展していくのであります。そしてその代償として下賜されたロールスロイスのオークション価格は3億5000万円とか。しかし、女王陛下御存命中は取引されないとか・・・?まさに宝のもち腐れ?。
ダイアナリングの価格は1000万円近くとか。そして現在の価値は1億3000円相当とか!
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エリザベス女王の目にかなったブルーサファイアがあのダイアナ妃の婚約リングとしてプレゼントされました。そのサファイアの底知れぬ深いブルーに吸い込まれたダイアナは至福の喜びと共に、
片時もその指輪を離しませんでした。のちにダイアナサファイアとの名称がつくほどでした。そしてその指輪は息子ウイリアム王子の妃ケイトさんに受け継がれ、彼女もまた一番憧れたダイアナの想いを受け継ぐべく、いかなる場所へもダイアナサファイアを通じて行動を共にしているのであります。
当時800万円相当といわれていたこのサファイアは現在1億3000円のプレミアムプライスとして評価されています。
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エリザベス女王とダイアナ妃の確執はいまでもテレビで特集が組まれるほど相当なものでありました。その原因は結婚当初から女王が溺愛した息子チャールズ皇太子の不倫癖(特にカミラ夫人との)が解消できなかったからです。しかし、今でもダイアナ妃を深く愛していると
公言してはばからないウイリアム王子にしても、母親の思い出がいっぱい詰まっているこのブルーサファイアをケイト妃もこよなく好きになり、ケイト妃の笑顔を見てエリザベス女王もウイリアム皇子も安堵したのであります。
このサファイアの波動がダイアナ妃とケイト妃の心の波動に同調したのでしょう。彼女もまたダイアナ妃と同様公式の場では必ず身に付けています。
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一般的にこのサファイアを献上したのはグルゲ氏と言われていますが、真相は献上するには二マール氏には負担が重かったので、グルゲ氏が後日立替払いしたのであります。サファイアの献上者として名を取った二マール氏の事業は
その後衰退し、下賜されたエリザベス女王乗車のロールロイスもグルゲ氏は25万円で引き取り、メンテナンスに高額な維持費がかかっています。しかし、この車も現在プレミアムとして世界的に注目を浴びてその評価は3.5億円になっています。実を取ったグルゲ氏の事業はますます
発展していったのであります。しかし、この車もエリザベス女王存命中はオークションに出品されることはないでしょう。
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まさに「乙女の祈り」大英帝国の国母に求められるのはブルーサファイアの幸せ言葉は「慈愛・徳望・誠実」そのものであります。ダイアナ妃のはじけるような若さと笑顔、そして華やかさ。彼女は世界中の人々の羨望の的になりました。
一方ケイト妃の穏やかな笑顔と清楚さはまだまだ未知数でありますが、ウイリアム皇子の優しい人柄と同様ケイト妃もまた世界中の人々の羨望の的になっていくでありましょう。
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2017年5月、数年に一度の発見と言われる逸品のブルーサファイアが見つかりました。あのダイアナサファイアが産出された同じ鉱脈からの発見であります。
もちろんナチュラルですが大きさは31.5カラット、ダイアナサファイアの2倍近くあります。価格は1カラット250万円つまりコストで8000万円であります。さてこのダイアナサファイアと姉妹サファイアは世界の貴婦人の誰の胸を???飾るのでしょうか。
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世界の羨望の的になったケイト妃の満面溢れるこの笑顔、もちろん父チャールズ皇太子と違い、清廉潔白な魅力いっぱいのハンサム皇子ウイリアム氏と結婚した以上に、憧れであったダイアナ妃の魂の塊であるブルーサファイを神様からの
プレゼントとして受け継いだ喜びの方が大きい笑顔のように見えます。ダイアナ妃もどれだけこのブルーサファイアに慰められ、力を得たことか。宝石にはそんな力があるのです。
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長年(28年間)のスリランカ内戦を終結させたラジャーパクサ大統領はよくグルゲ邸を訪れていました。それもそのはず、大統領は無名時代によくグルゲ邸に寝泊まり、お酒を交わした仲でもあったのです。正に刎頸の友でありました。
大統領が訪問の際はそのセキュリテイ対策も尋常ではありません。周囲1キロ範囲で軍隊が目立たないように護衛していました。総勢200人体制であります。
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来賓として大統領がテーブルに着く明確な時間は公表されていません。しかし、よく注意して見ればセキュリテイの人達が大統領席のテーブルの白布の裾を1分毎にめくり、テーブルの下を覗き込む慌ただしいしぐさから
大統領の到着時間が推測されるのであります。日本では考えられない危機管理であります。28年間の内戦を強引に集結させた大統領周辺にはまだまだテロリストの影が存在しているからであります。
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結婚式の前の重要なセレモニーでは地域の裁判官と両家の代表者の立ち合いのもと、結婚の誓いの署名が行われます。結婚式は両家の深い絆の証であり結束の基になるからであります。厳粛な儀式を得た彼らの離婚率は極めて低く
日本の現在の離婚率(28%)は信じられない数字と口を揃えて言います。責任ある仲人を立てたこの厳粛な儀式があってこそ離婚率も減ることは間違いありません。
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今回の主賓は大統領の長兄で、国会議長のチャマル・ラージャパクサ氏であります。彼は穏やかな人柄で国民の信頼も人一倍です。多額の汚職も噂されていますが、国民は彼を信じています。
彼の周りにも黒服を着たSPがいつも5,6人彼のテーブルを囲んでいました。彼に近づきツーショット写真撮影だけでも大変です。その前にカメラのチックもあります。一度シャッターを切ってテストした後、会場への持ち込みが許可されます。
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女性側の主賓はマヒンダラ大統領夫人でありました。スリランカの女性は20代前半までは本当にスリムで美しいです。彼女はミスコロンボでした。しかし、歳を経るごとに、数多くのパーティをこなし、
美食と、とても甘いケーキを食べ続ければ見事に変身していくのであります。ただ身に付けている衣装と宝飾品は目を見張るものがあります。彼女の周りにはもちろん数人のSPウーマンが眼光を光らせています。トップレディも大変です!
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手塩にかけた最愛の末娘ギシャニーちゃん、最後のおめかしをして送り出す母親の心境がいやというほどわかる写真であります。特にスリランカでは最後の娘を送り出す時は大変です。時としては両親が住んでいた家を明け渡す時もあります。
他の姉妹兄弟は両親が買い与えた家付き婿入り嫁になります。良き花嫁をゲットするには高学歴であり、高役職が保証された人物、叉は実業家が有利であります。恋愛はほとんど不可能であります。そして同宗教と誇り高き?カースト制度が残っています。
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3mほどの超豪華なウエディングケーキ。最近の日本ではめったに見られない超豪華結婚式でもあります。スリランカ女性の美人の条件は
小鹿のようなぱっちりとした目、メロンの様なおっぱい、細い首とくびれたウエストです。結婚10年たったらそれは夢物語になっていきます。
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結婚式はやはりここでも女性が主役であります。衣装直しの際は出席者のため息が聞こえてきます。20歳前後の花嫁は本当にキュートで可愛いです。
他にワインフォールがあります。ワイングラスを山形に10段ほど積み重ね頂上からワインを注ぎ、参列者に感謝を込めてワイン入りグラスをプレゼントします。
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スリランカのお金持ちは通常お嫁さんの自宅で結婚式を挙げます。自宅横のグランドで特大テントを張り、1000人以上の招待客を迎えます。そして新婚旅行から帰ってから、今度は相手方の家かホテルで
ホーム・パーティと称してウエルカム・ティ・パーティ(それでも200人以上)を男性側が招待します。
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スリランカの宗教は仏教徒70%、イスラム教徒15%、キリスト教徒10%、ヒンズー教徒5%であります。その中で仏教徒の結婚式は特に賑やかであります。
一方イスラム教徒の結婚式は静かで、時としては男女別々の部屋でセレモニーが進行します。招待された男性客が花嫁の姿を見ることは稀であります。イスラム教徒の世界では人様の女房に
興味を持つことはまさにレッドカードであります。カメラマンの私は例外であります。
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厳格なイスラム教徒の結婚式では花嫁と花婿が直接対面する時は結婚式当日であることがあります。先日兄弟2組の結婚式が同時に行われた際、パーティ会場に
同時入場の際深く被ったベールで相手を確認できず間違って手を取り合って入場しているのを発見、カメラマンとして同伴していた私は慌てて注意するハプニングがありました。家族の中で私が一番に相手を当事者より先に
面会して認識していたからであります。
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一般的にはスリランカの上流社会ではお見合いが原則であります。その結果、両家の財産が重なりさらに大きな家族を形成することになります。時として親の意に反した
場合は勘当されます。しかし、子供が生まれ、3年を経て詫びを入れたら仕方なくOKされます。スリランカ人は面子を重んじる民族でもあります。一男七女のこの家族はそれぞれの地域の最有力者との
家族のつながりを持ち、その結束力は強く、事業の面でも支え合っていきます。
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[この画像をクリックしてください。素敵なセイロン紅茶の画像が飛び込んできます!ここから紅茶の注文ができますよ!] 今から150年前にオランダを追放してスリランカを植民地化したイギリスは古代より数多くのハープを生産する植物の楽園スリランカに彼らの嗜好品であるコーヒ、紅茶を
生産することを考えました。当初コーヒーを生産したのですが、虫害により全滅。1850年代イギリスのジェームス・テーラーをはじめ多くの研究者達の労苦の結果、今日の世界有数の紅茶園を開拓しました。
海のミネラル成分を一杯含んだ朝霧が重要な旨み成分の要素であります。1200m以上の高原で栽培されるハイグロウン茶葉が最も評価が高く農薬も不必要になります。したがって高品質・高価格になっていきます。
Nice view!
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[この画像をクリックしてください。素敵なセイロン紅茶の画像が飛び込んできます!ここから紅茶の注文ができますよ!] 現在720か所にあるスリランカ・ティ・エステート(紅茶園)には工場と茶園が一望できる場所にオーナー一族が滞在するバンガローがあります。バンガローには常時10~20人は十分滞在できる宿泊設備が整い
男性の料理人(アプー)と使用人が数人仕えています。オーナー一族の家族やお客様が本国のイギリスから遠路はるばる来客された時は24時間体制で対応していました。料理はもちろんですが朝のフレッシュなモーニングミルクティはまさに絶品です。現在の残っているバンガロウは100年以上前に建てられました。
「旦那様!お目覚めのミルクティでございます!」 Have a nice day!
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[この画像をクリックしてください。素敵なセイロン紅茶の画像が飛び込んできます!ここから紅茶の注文ができますよ!] 働き手である茶摘み女のファミリーは紅茶園開拓時代と同時期に南インドから強制的に移住させられたタミール人であります。彼らは小柄(150㎝前後)でありますが
辛抱強く、力強く、まじめに一生懸命働きます。1日18㎏をめどに、日給は750ルピー=600円)です。彼女たちで五世代になります。彼女たちはおしゃれにも敏感です。一生懸命働き、貯金して22金のネックレス、イヤリング、鼻ピアス、ブレスレットで飾り、華やかのドレスでセレモニーに参加することが夢でもあります。
バンガロウに泊り、一度彼女たちと茶摘みをご一緒しませんか。都会の喧騒の中で溜まり溜まったストレスも一掃出来ます。
Good job!
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